JLPT N3 ・ 対策読解 ・ 第13回

保険とリスク ― 本番形式の読解練習

JLPT N3の本番に近い形式で、短文・中文・長文・情報検索の読解問題(全13問)に挑戦できます。本文は左、設問は右。スクロールしても本文が見えるようになっています。

問題1 ・ 短文

保険ほけんは、「めったに起おきないが、起おきたら一人ひとりでは支払しはらえないこと」に備そなえる仕組しくみだ。大勢おおぜいの人ひとが少すこしずつお金かねを出だし合あい、事故じこや病気びょうきにあった人ひとに、集あつめたお金かねから支払しはらう。全員ぜんいんが得とくをする仕組しくみではない。何なにも起おきなければ、払はらったお金かねは戻もどらない。それでも人ひとが保険ほけんに入はいるのは、お金かねではなく「安心あんしん」を買かっているからである。

問 筆者ひっしゃによると、人ひとが保険ほけんに入はいるのは、なぜか。

正解:2 最終文「人が保険に入るのは、お金ではなく「安心」を買っているから」。1は「払ったお金は戻らない」と矛盾。4は「めったに起きない」と矛盾。

語彙:備える(何かが起きたときのために準備する)/大勢(たくさんの人)/出し合う(みんなで出す)

問題2 ・ 短文

「心配しんぱいだから」とたくさんの保険ほけんに入はいり、毎月まいつきの支払しはらいで生活せいかつが苦くるしくなる人ひとがいる。これでは本末転倒ほんまつてんとうだ。備そなえるべきなのは、「起おきる可能性かのうせいは低ひくいが、起おきたら生活せいかつが壊こわれること」。逆ぎゃくに、少すくない額がくで済すむことは、貯金ちょきんで対応たいおうすればよい。保険ほけんは多おおいほど安心あんしんなのではなく、必要ひつようなものを選えらぶことが大切たいせつなのだ。

問 「本末転倒ほんまつてんとう」とあるが、ここではどういうことか。

正解:4 本末転倒=目的と手段が逆になること。安心のために入ったはずの保険の支払いで、守りたいはずの生活が苦しくなる状態を指している。

語彙:本末転倒(大事なことと、そうでないことが逆になること)/対応する(それに合わせて処理する)/〜で済む(〜だけで足りる)

問題3 ・ 中文

「リスク」は「危険きけん」と訳やくされることが多おおいが、金融きんゆうの世界せかいでは少すこし意味いみが違ちがう。金融きんゆうでのリスクとは、「結果けっかがどれくらい振ふれるか分わからない」こと、つまり不確ふたしかさの大おおきさを指さすのである。

例たとえば、銀行ぎんこうの預金よきんは、ほとんど増ふえないが、減へりもしない。振ふれが小ちいさいので、リスクが小ちいさい。株式かぶしきは、大おおきく増ふえるかもしれないし、大おおきく減へるかもしれない。振ふれが大おおきいので、リスクが大おおきい。大事だいじなのは、リスクが大おおきいこと自体じたいは「悪あく」ではない、ということだ。大おおきく増ふえる可能性かのうせいは、大おおきく振ふれることの中なかにしかないからである。

問題もんだいは、自分じぶんがどれだけの振ふれに耐たえられるかを知しらずに、増ふえる可能性かのうせいだけを見みて選えらぶことである。リスクとリターンは、切きり離はなせない一枚いちまいのカードの裏表うらおもてなのだ。

問1 金融きんゆうの世界せかいでの「リスク」とは、何なにを指さすか。

問2 銀行ぎんこうの預金よきんのリスクが小ちいさいと言いえるのは、なぜか。

問3 筆者ひっしゃの考かんがえに最もっとも近ちかいものはどれか。

問1 正解:3 第1段落「結果がどれくらい振れるか分からないこと、つまり不確かさの大きさ」。「危険」(1・2・4のような悪いこと)とは違う、と説明されている。
問2 正解:1 第2段落。増えも減りもしない=振れが小さい=リスクが小さい。
問3 正解:4 最終文「リスクとリターンは、切り離せない一枚のカードの裏表」。1は「リスクが大きいこと自体は「悪」ではない」と矛盾。

語彙:訳す(別の言葉に直す)/振れる(上下に動く)/不確かさ(はっきり分からないこと)/耐える(がまんする)/裏表(カードの表と裏=いつも一緒にあるもの)

問題4 ・ 中文

「卵たまごを一ひとつのかごに盛もるな」という投資とうしの言葉ことばがある。すべての卵たまごを一ひとつのかごに入いれると、かごを落おとせば全部ぜんぶ割われてしまう。お金かねも同おなじで、一ひとつの会社かいしゃの株式かぶしきにすべてを入いれると、その会社かいしゃに何なにかあれば大おおきな損そんになる。

そこで、性質せいしつの違ちがうものに分わけて持もつ「分散ぶんさん」という考かんがえ方かたが生うまれた。国内こくないと海外かいがい、株式かぶしきと債券さいけん。片方かたほうが下さがるとき、もう片方かたほうが下さがりにくいものを組くみ合あわせれば、全体ぜんたいの振ふれは小ちいさくなる。大おおきく増ふえる楽たのしみは減へるが、大おおきく失うしなう危険きけんも減へる。分散ぶんさんとは、当あてることをあきらめる代かわりに、外はずしても倒たおれない形かたちを作つくる技術ぎじゅつなのである。

問1 「卵たまごを一ひとつのかごに盛もるな」は、お金かねの話はなしではどういう意味いみか。

問2 筆者ひっしゃによると、分散ぶんさんとはどんな技術ぎじゅつか。

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問題5 ・ 長文

二年前にねんまえ、私わたしは自転車じてんしゃで人ひとにぶつかってしまった。相手あいては転ころんで手首てくびを折おった。幸さいわい、命いのちにかかわるけがではなかったが、治療費ちりょうひと、仕事しごとを休やすんだ分ぶんの補償ほしょうを求もとめられた。

私わたしは青あおくなった。貯金ちょきんは30万円まんえんほど。もし相手あいてのけがが、もっと重おもかったら。自転車じてんしゃの事故じこでは、数千万円すうせんまんえんの支払しはらいを命めいじられた例れいもあると、あとで知しった。

救すくわれたのは、家族かぞくが入はいっていた火災かさい保険ほけんに、「個人こじん賠償ばいしょう責任せきにん」という契約けいやくが付ついていたからだ。月つきに数百円すうひゃくえんのその契約けいやくが、治療費ちりょうひなどをすべて支払しはらってくれた。正直しょうじき、そんな契約けいやくがあることさえ知しらなかった。

この経験けいけんから学まなんだのは、保険ほけんは「入はいっているかどうか」だけでなく、「何なにに備そなえているかを知しっているかどうか」が大事だいじだということだ。私わたしはその後ご、自分じぶんの保険ほけんの内容ないようを初はじめて全部ぜんぶ読よんだ。読よんでいない保険ほけんは、持もっていないのと同おなじかもしれないのだから。

問1 事故じこのあと、筆者ひっしゃが青あおくなったのは、なぜか。

問2 筆者ひっしゃを救すくったのは何なにか。

問3 「読よんでいない保険ほけんは、持もっていないのと同おなじ」とは、どういうことか。

問4 この文章ぶんしょうで、筆者ひっしゃが最もっとも言いいたいことは何なにか。

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問題6 ・ 情報検索

次は、自転車じてんしゃ保険ほけんの比較表ひかくひょうです。

自転車保険の比較
プランA月200円 / 相手への賠償:1億円まで / 自分のけが:なし
プランB月450円 / 相手への賠償:2億円まで / 自分のけが:入院1日3,000円
プランC月900円 / 相手への賠償:3億円まで / 自分のけが:入院1日6,000円・通院もあり / 家族全員が対象
申し込みウェブで。利用開始は申し込みの翌日から。
注意どのプランも、仕事中の事故は対象外です。

問1 Hさんは、夫婦ふうふと子こども2人りの家族かぞく全員ぜんいんを、一ひとつの契約けいやくでまとめたい。どのプランを選えらべばよいか。

問2 この表ひょうの内容ないようと合あっているものはどれか。

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