JLPT N3 ・ 対策読解 ・ 第21回

現金とキャッシュレス ― 本番形式の読解練習

JLPT N3の本番に近い形式で、短文・中文・長文・情報検索の読解問題(全13問)に挑戦できます。本文は左、設問は右。スクロールしても本文が見えるようになっています。

問題1 ・ 短文

日本にほんは長ながい間あいだ、現金げんきんが好すきな国くにだと言いわれてきた。理由りゆうとしては、「停電ていでんや災害さいがいのときに使つかえなくなるのが心配しんぱい」「お金かねを使つかった実感じっかんがある」などがよく挙あげられる。しかし、キャッシュレスで支払しはらう人ひとの割合わりあいは年々ねんねん増ふえている。この変化へんかを後押あとおししたのは、意外いがいにも、小ちいさな店みせの側がわの事情じじょうだった。現金げんきんを数かぞえたり、銀行ぎんこうに運はこんだりする管理かんりの時間じかんにも、人件費じんけんひというコストがかかっているからである。

問 筆者ひっしゃによると、キャッシュレス化かを後押あとおししたものは何なにか。

正解:2 最終文「〜からである」が理由。「意外にも、小さな店の側の事情」がポイント。1・3は本文前半の言葉を使ったひっかけで、どちらも本文に書かれていない変化。4も本文にない。

語彙:実感(本当にそうだと感じること)/割合(全体の中で占める大きさ)/後押しする(後ろから助けて進める)/人件費(働く人にかかるお金)

問題2 ・ 短文

キャッシュレスは便利べんりだが、「使つかいすぎが心配しんぱい」という声こえも根強ねづよい。現金げんきんなら財布さいふが軽かるくなることで使つかった量りょうが目めに見みえるが、カードやスマホでは数字すうじが減へるだけだからだ。ただし、最近さいきんのアプリには、使つかった金額きんがくをすぐに知しらせたり、一ひと月つきの上限じょうげんを決きめたりする機能きのうがある。道具どうぐは使つかい方かたしだいで、財布さいふよりも厳きびしい「見張みはり役やく」にもなるのである。

問 筆者ひっしゃの考かんがえに最もっとも近ちかいものはどれか。

正解:4 最終文「財布よりも厳しい『見張り役』にもなる」の言い換え。2は本文と逆。1・3は「使いすぎが心配」という前半の声の言いすぎで、筆者は後半でそれに答えている。

語彙:根強い(なかなか消えない)/上限(これ以上は行けないという限界)/機能(機械やアプリができること)/見張り役(見て注意する役割)

問題3 ・ 中文

「ポイントがたまるから」と、つい買かい物ものを増ふやしてしまう人ひとがいる。しかし、冷静れいせいに考かんがえてみよう。1%のポイントのために100円えん多おおく使つかえば、手てに入はいるのは1円分えんぶん。差さし引ひきすれば99円えんの損そんだ。

そもそもポイントは、客きゃくへの値引ねびきではなく、「次つぎも来きてもらうための仕組しくみ」である。店みせの側がわから見みれば、広告こうこくのためのお金かねに近ちかい。それが悪わるいという話はなしではない。店みせと客きゃく、両方りょうほうに得とくがある仕組しくみだからこそ、これだけ広ひろがったのだ。

賢かしこい付つき合あい方かたは、ポイントのために買かうのではなく、どうせ買かうものを買かうときに、ためることである。主役しゅやくは買かい物もので、ポイントはおまけ。この順番じゅんばんを忘わすれないことが大事だいじだ。

問1 ポイントについて、筆者ひっしゃの説明せつめいに最もっとも近ちかいものはどれか。

問2 「99円えんの損そん」とは、どういうことか。

問3 筆者ひっしゃの言いう「賢かしこい付つき合あい方かた」とは何なにか。

問1 正解:1 第2段落のとおり。2は「値引きではなく」と打ち消されている本文の言葉を使ったひっかけ。3は「両方に得がある」と逆。
問2 正解:3 第1段落の計算のとおり。1・2・4はどれも本文にない話。
問3 正解:2 最終段落の言い換え。1は「ポイントのために買う」側なので逆。「主役は買い物で、ポイントはおまけ」という順番がポイント。

語彙:冷静に(落ち着いて)/差し引き(足したり引いたりした結果)/値引き(値段を安くすること)/賢い(頭が良い)/主役(中心になるもの)

問題4 ・ 中文

友人ゆうじんと食事しょくじをしたあとの割わり勘かんも、今いまは送金そうきんアプリで一円いちえん単位たんいまで簡単かんたんに精算せいさんできる。「細こまかすぎて冷つめたい感かんじがする」という意見いけんもあれば、「お金かねの話はなしを短みじかく済すませられるから、かえって関係かんけいを守まもれる」という意見いけんもある。

私わたしは、この道具どうぐが変かえたのは金額きんがくではなく、「言いい出だしにくさ」だと思おもう。「貸かしたお金かね、返かえして」という一言ひとことは、金額きんがくが小ちいさくても言いい出だすのに勇気ゆうきがいる。アプリは、その心こころの負担ふたんを軽かるくしてくれるのだ。

問1 送金そうきんアプリの良よさとして、筆者ひっしゃが注目ちゅうもくしているのはどれか。

問2 筆者ひっしゃの考かんがえに最もっとも近ちかいものはどれか。

この大問のくわしい解説は本番形式のN3模試で

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問題5 ・ 長文

私わたしは現金派げんきんはだった。スマホでの支払しはらいは「なんとなく不安ふあん」で、財布さいふに入はいっている現金げんきんだけが本当ほんとうのお金かねだという感覚かんかくがあった。

ある朝あさ、駅えきに着ついてから、財布さいふを忘わすれたことに気きづいた。取とりに帰かえる時間じかんはない。手元てもとにあるのはスマホだけ。仕方しかたなく、前まえに登録とうろくだけして使つかっていなかった決済けっさいアプリを開ひらいた。

電車でんしゃに乗のれた。昼ひるごはんも買かえた。カフェの支払しはらいもできた。一日いちにちの終おわりに気きづくと、私わたしは財布さいふのことを忘わすれて、普通ふつうに生活せいかつしていた。不安ふあんの正体しょうたいは、危険きけんそのものではなく、「使つかったことがない」ということだったのだ。

今いまも現金げんきんは持もち歩あるいている。小ちいさな店みせや神社じんじゃなど、現金げんきんしか使つかえない場面ばめんはまだあるからだ。ただ、順番じゅんばんは逆ぎゃくになった。まずスマホ、だめなら現金げんきん。道具どうぐへの信頼しんらいは、説明せつめいではなく経験けいけんから生うまれるのだと思おもう。

問1 財布さいふを忘わすれたと気きづいたとき、筆者ひっしゃはどうしたか。

問2 筆者ひっしゃにとって「不安ふあんの正体しょうたい」は何なんだったか。

問3 今いまの筆者ひっしゃについて、本文ほんぶんの内容ないようと合あっているものはどれか。

問4 この文章ぶんしょうで、筆者ひっしゃが最もっとも言いいたいことは何なにか。

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問題6 ・ 情報検索

次は、ある商店街しょうてんがいのポイント還元かんげんキャンペーンの案内あんないです。

さくら商店街 スマホ決済ポイント還元キャンペーン
対象の店商店街の加盟店(入り口に旗のある店)
期間10月1日〜10月31日
内容スマホ決済で支払うと、10%のポイント還元(1回の支払いが500円以上のとき)
上限期間中、1人3,000ポイントまで
注意商品券・たばこは対象外です。/ポイントは11月末までに付与されます。

問1 Mさんは加盟店かめいてんで、700円えんの買かい物ものをスマホ決済けっさいでした。もらえるポイントはいくつか。

問2 この案内あんないの内容ないようと合あっているものはどれか。

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