JLPT N2 Reading Practice

新あたらしい和菓子わがし

A New Sweet for November

N2和菓子約5分32文文法:〜がいがある

A shop assistant at a Japanese sweet shop wants to make something new for the quiet month, and remakes it twenty times.

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彩乃あやのが駅前えきまえの和菓子屋わがしやで働はたらき始はじめて、三年さんねんになる。Ayano has been working at the Japanese sweet shop by the station for three years.カウンターだけの小ちいさな店みせで、職人しょくにんは吉永よしながさん一人ひとりだ。It is a small shop with nothing but a counter, and Mr Yoshinaga is its only craftsman.彩乃あやのの仕事しごとは売うり場ばだが、朝あさはあんを混まぜる手伝てつだいもする。Ayano's job is the shop floor, but in the mornings she helps mix bean paste.春はるは桜さくらもち、夏なつは水みずようかん、秋あきは栗くりの菓子かしがよく売うれる。Cherry-leaf cakes sell well in spring, water jelly in summer and chestnut sweets in autumn.ただ、十一月じゅういちがつに入はいると客きゃくの足あしが急きゅうに止とまる。But once November comes, customers suddenly stop coming in.

去年きょねんの十一月じゅういちがつ、彩乃あやのは新あたらしい菓子かしを作つくってみたいと言いった。Last November, Ayano said she wanted to try making a new sweet.吉永よしながさんは手てを止とめず、「何なにを」と短みじかく聞きいた。Without stopping his hands, Mr Yoshinaga asked simply, “What sort?”「さつまいもを使つかった、温あたたかいお菓子かしです。」“A warm sweet, made with sweet potato.”吉永よしながさんはしばらく考かんがえて、「やってみるか」と言いった。Mr Yoshinaga thought for a while and said, “Give it a go, then.”その日ひから、彩乃あやのの朝あさは一時間いちじかん早はやくなった。From that day, Ayano's mornings started an hour earlier.

いもを蒸むして、つぶして、砂糖さとうの量りょうを少すこしずつ変かえる。She steamed the potato, mashed it and changed the amount of sugar little by little.十回じゅっかい作つくって、十回じゅっかいとも吉永よしながさんは首くびを横よこに振ふった。She made it ten times, and all ten times Mr Yoshinaga shook his head.「甘あまい。いもの味あじが消きえている。」“Too sweet. The taste of the potato has gone.”彩乃あやのは毎回まいかい、使つかった量りょうを紙かみに書かいた。Each time, Ayano noted down the amounts she had used.二十回目にじゅっかいめで、吉永よしながさんが二に口くち食たべた。On the twentieth attempt, Mr Yoshinaga took two bites.

「これなら売うれる。」“This one will sell.”作りがいがあるとはこういうことだと、彩乃あやのはそのとき思おもった。So this is what it means for something to be worth making, Ayano thought at that moment.十二月じゅうにがつの初はじめ、その菓子かしを店みせに出だした。At the beginning of December, they put the sweet out in the shop.「ほくほく」と書かいた紙かみを、かごの前まえに置おいた。She set a card in front of the basket with nothing on it but the name.初日しょにちは十個じゅっこしか売うれなかった。On the first day, only ten sold.

二日目ふつかめも三日目みっかめも、同おなじくらいだった。The second day and the third were much the same.売うれない日ひが続つづくと、作りがいがないと感かんじてしまう。When the days go by without a sale, you start to feel there is no point in making it.冬ふゆの和菓子わがしは売れそうにない、と彩乃あやのは思おもい始はじめた。Winter sweets did not look like selling, Ayano began to think.吉永よしながさんは何なにも言いわず、毎朝まいあさ同おなじ数かずを作つくった。Mr Yoshinaga said nothing and made the same number every morning.一週間後いっしゅうかんご、近ちかくの会社かいしゃの人ひとが十個じゅっこ買かっていった。A week later, someone from a company nearby bought ten.会議かいぎで出だしたら、すぐになくなったのだそうだ。They had put them out at a meeting, apparently, and they had gone straight away.

そこから、昼過ひるすぎには売うり切きれる日ひが続つづいた。From then on, they sold out by early afternoon day after day.「あれだけ直なおしたのだから、うまいに決まっている」と、吉永よしながさんは笑わらった。“We fixed it that many times, so of course it tastes good,” Mr Yoshinaga laughed.年としが明あけて、彩乃あやのは次つぎのことを考かんがえていた。With the new year, Ayano was thinking ahead.春はるの菓子かしにも、同おなじやり方かたが使つかえるのではないか。Perhaps the same approach could be used for the spring sweets.それでも、だれかの「おいしい」という一言ひとことがあれば、作りがいがある。Even so, one word of “delicious” from somebody makes it worth making.吉永よしながさんは今年ことしも、朝あさいちばんに火をつけているに決まっている。Mr Yoshinaga is bound to be lighting the stove first thing this year too.

Vocabulary 単語

語よみMeaningJLPT
和菓子屋わがしやJapanese confectioner's shop
カウンターかうんたーcounterN2
職人しょくにんcraftsman, artisanN2
混ぜるまぜるmix, stir togetherN3
桜もちさくらもちsakura-mochi, cherry-leaf rice cake
水ようかんみずようかんmizu-yokan, chilled bean jelly
栗くりchestnutN1
菓子かしsweets; confectioneryN3
売れるうれるsell; be soldN3
客きゃくcustomerN3
芋いもpotato, sweet potatoN2
蒸すむすto steamN2
つぶすつぶすto crush, mashN2
量りょうamount; quantityN3
十回ともじゅっかいともall ten times
毎回まいかいevery timeN3
二十回目にじゅっかいめthe twentieth time
初日しょにちopening day, first dayN2
和菓子わがしJapanese sweets
数かずnumberN3
昼過ぎひるすぎearly afternoonN3
売り切れるうりきれるto sell outN2
明けるあける(of a year) begin; dawnN3
一言ひとことa single word; a few wordsN3

Grammar 文法

〜がいがある

worth doing; rewarding · JLPT N2
動詞のます形+がいがある(打ち消しは 〜がいがない)

苦労に見合う価値があると言うときに使う。「やりがいのある仕事」のように、名詞の形で使うことも多い。つく動詞は「する・働く・生きる・教える・作る」などに限られていて、どんな動詞にでもつくわけではない。反対の意味は「〜がいがない」で表す。

この仕事は大変だが、やりがいがある。

This job is tough, but it is rewarding.

生徒が育っていくのを見ると、教えがいがあると感じる。

Seeing students grow makes me feel that teaching is worth it.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜そうにない・そうもない

unlikely to; shows no sign of · JLPT N2
動詞ます形+そうにない/そうもない

今の様子から見て、そうなる気配がないと言うときに使う。様態の「〜そうだ」の打ち消しで、「そうにない」と「そうもない」は同じ意味で使える。前は動詞のます形で、伝聞の「〜そうだ」(辞書形につく形)とは形も意味も違う。自分の意志で決められることには使わず、思いどおりにならないことに使う。

この仕事は今日中に終わりそうにない。

This work doesn't look like it will finish today.

電車が来そうもないので、歩いて帰った。

Since the train showed no sign of coming, I walked home.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜に決まっている

surely; bound to be · JLPT N2
動詞・い形容詞の普通形 / な形容詞・名詞(そのままの形) + に決まっている

話す人が「ぜったいにそうだ」と強く思っていることを表す。証拠を示すというより、気持ちの強さを表す言い方で、話しことばでよく使う。「〜に違いない」は理由から考えて判断する言い方で、「〜に決まっている」のほうが決めつける感じが強い。自分の予定や意志を言う文には使わない。

あんなに練習したのだから、今度は勝つに決まっている。

He practiced so much that he's bound to win this time.

この時間の電車は込んでいるに決まっているよ。

The train at this hour is bound to be crowded.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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Questions 問題

1. 菓子が売れるようになったきっかけは何ですか。

  1. 新聞に店が紹介されたから
  2. 値段を下げたから
  3. 吉永さんが作り方を変えたから
  4. 近くの会社の人が十個まとめて買ったから
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4. 近くの会社の人が十個まとめて買ったから
近くの会社の人が十個買って会議で出し、そこから売り切れる日が続いた。

2. 「作りがいがある」とは、どういう意味ですか。

  1. 作るのがとても簡単だ
  2. 作る時間が長くかかる
  3. 苦労に見合う価値がある
  4. 作る人が足りている
答えを見る Show answer

3. 苦労に見合う価値がある
「〜がいがある」は、苦労に見合う価値があるという意味を表す。

力だめし Mini test

力だめし 8問

この話の漢字の読み・表記・語彙・文法から8問。解くと、間違えたところだけが復習に出てきます。

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