JLPT N2 Reading Practice

朝一番あさいちばんの客きゃく

The First Customer of the Morning

N2開店約5分31文文法:〜か〜ないかのうちに

A brother and sister open a tiny coffee stand by the station and learn what their neighbours are worth.

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駅えきの北口きたぐちに、三坪さんつぼほどの空あき店舗てんぽがあった。By the station's north exit there was an empty shop unit of about ten square metres.長ながく借かり手てがつかなかったその場所ばしょに、十月じゅうがつ、小ちいさなコーヒースタンドが開ひらいた。In October a small coffee stand opened in that spot, which had gone unlet for a long time.始はじめたのは、会社かいしゃをやめた篠崎しのざきと、その妹いもうとの由紀ゆきである。It was started by Shinozaki, who had left his company job, and his younger sister Yuki.

開店にあたって、二人ふたりは近所きんじょの店みせを一軒いっけんずつ回まわった。Ahead of opening, the two of them called on every nearby shop in turn.八百屋やおや、花屋はなや、クリーニング店てん。The greengrocer, the florist, the dry cleaner's.「うるさくしたら、言いってください。」“If we make too much noise, do tell us.”花屋はなやの主人しゅじんは「朝あさは早はやいよ」と笑わらって、鉢植はちうえを一ひとつくれた。The florist laughed, said “We start early too,” and gave them a potted plant.

開店かいてんの前まえの一週間いっしゅうかん、二人ふたりは毎朝六時まいあさろくじに店みせへ入はいり、豆まめをひく練習れんしゅうをした。For the week before opening, they were in the shop at six every morning, practising grinding beans.三十杯分さんじゅっぱいぶんの湯ゆを落おとすころには、腕うでが上あがらなくなっていた。By the time they had poured water for thirty cups, their arms would no longer lift.

十月二日じゅうがつふつかの朝六時半あさろくじはん、篠崎しのざきがシャッターを上あげた。At half past six on the morning of the second of October, Shinozaki raised the shutter.上がるか上がらないかのうちに、作業着さぎょうぎの男性だんせいが立たっていた。Almost before it was up, a man in work clothes was standing there.「開ひらいてますか。ブラック、一ひとつ。」“Are you open? One black, please.”由紀ゆきの手てが震ふるえて、紙かみコップのふたがうまく閉しまらない。Yuki's hands shook and she could not get the lid onto the paper cup.

それからの一時間いちじかんは、何なにが起おきたのか覚おぼえていない。Neither of them remembers what happened in the hour that followed.電車でんしゃが着くか着かないかのうちに、窓まどの前まえに人ひとの列れつができた。No sooner had a train pulled in than a queue formed at the window.豆まめは十時前じゅうじまえに半分はんぶんになった。The beans were half gone before ten.

問題もんだいは三日目みっかめに起おきた。Trouble came on the third day.ミルクの機械きかいが、朝あさの七時ななじに止とまったのだ。The milk machine stopped at seven in the morning.修理の人を呼ぶ際には、必かならず前日ぜんじつまでに連絡れんらくが必要ひつようだという。When calling out an engineer, they were told, you have to get in touch by the previous day.その日ひはミルクの入はいった飲のみ物ものを全部ぜんぶ断ことわることになった。That day they had to turn down every order with milk in it.「すみません、今日きょうはブラックだけです。」“I'm sorry, it's black coffee only today.”

断ことわられた客きゃくの一人ひとりが、十分後じゅっぷんごに戻もどってきた。One of the customers they had turned away came back ten minutes later.手てには、牛乳ぎゅうにゅうのパックが二本にほんあった。In his hands were two cartons of milk.「向むかいのスーパーで買かってきた。これ、使つかえませんか。」“I got these at the supermarket opposite. Can't you use them?”由紀ゆきは小ちいさく頭あたまを下さげて、それを受うけ取とった。Yuki bowed slightly and took them.その日ひ、スタンドの前まえには小ちいさな行列ぎょうれつができた。That day a small queue formed in front of the stand.

開店かいてんから半年はんとしがたった。Six months have passed since they opened.今いまでは、シャッターが開くか開かないかのうちに、三人さんにんほどが列れつを作つくるようになった。Now, almost before the shutter is up, three or so people are already forming a queue.注文ちゅうもんを聞きかなくても、だれが何なにを飲のむか分わかる客きゃくも増ふえた。There are more and more customers whose order they know without asking.店を閉める際に、二人ふたりは必かならず向むかいの花屋はなやへ鉢植はちうえの礼れいを言いいに行いく。When they close up, the two of them always go across to the florist to thank him for the plant.最初さいしょにもらったあの鉢植はちうえは、まだレジの横よこで葉はを広ひろげている。That first plant they were given is still spreading its leaves beside the till.

Vocabulary 単語

語よみMeaningJLPT
三坪さんつぼthree tsubo (about 10 square metres)
店舗てんぽshop premisesN1
借り手かりてtenant, renterN2
クリーニング店くりーにんぐてんdry cleaner's
鉢植えはちうえpotted plant
開店かいてんopening of a shopN2
毎朝六時まいあさろくじsix every morning
豆まめbeanN3
引けるひけるfeel hesitant (気が引ける)N1
三十杯分さんじゅっぱいぶんenough for thirty cups
腕うでarmN3
朝六時半あさろくじはんhalf past six in the morning
作業着さぎょうぎwork clothes, overallsN1
男性だんせいmanN3
震えるふるえるto tremble, shakeN2
紙コップかみこっぷpaper cup
列れつqueue, lineN3
十時前じゅうじまえbefore ten o'clock
前日ぜんじつthe previous dayN3
断ることわるto refuse, turn downN3
客きゃくcustomerN3
向かいむかいopposite; acrossN3
受け取るうけとるreceive; collectN3
スタンドすたんどstand, kioskN2

Grammar 文法

〜か〜ないかのうちに

the moment; no sooner than · JLPT N2
動詞辞書形+か+同じ動詞のない形+かのうちに

前のことが終わるか終わらないかわからないほど短い時間に、次のことが起こるという意味です。同じ動詞の辞書形とない形をくり返す、決まった形で使います。後ろには、実際に起きた出来事が来ます。まちがえやすいのは後ろの文で、これからの予定や自分の意志を表す文には使えません。

ベルが鳴るか鳴らないかのうちに、生徒たちは教室を出ていった。

The students left the classroom almost before the bell had rung.

ドアが閉まるか閉まらないかのうちに、彼は電車に乗り込んだ。

He got onto the train just as the doors were closing.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜にあたって・にあたり

on the occasion of; when about to · JLPT N2
動詞辞書形 / 名詞 +にあたって・にあたり

何か大切なことを始める前や、その節目のときに使うかたい言い方だ。あいさつ、式のスピーチ、案内文などでよく使う。まちがえやすいのは、毎日のふつうのことに使ってしまうことで、小さな出来事には「〜とき」を使う。また、これから起こることに使うので、終わったことには使わない。

留学するにあたって、先輩にいろいろ相談した。

Before going to study abroad, I consulted my seniors about all sorts of things.

開店にあたり、店長があいさつをした。

On the occasion of the opening, the manager gave a greeting.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜際(に)・〜に際して

on the occasion of; when (formal) · JLPT N2
動詞辞書形・動詞た形+際に / 名詞+の際に / 名詞・動詞辞書形+に際して

「際」は「〜のとき」を表す、かたい言い方です。案内や説明、あいさつなどの改まった場面でよく使います。まちがえやすいのは、毎日の小さな出来事に使ってしまうことです。大切な場面や手続きに限って使い、ふつうの会話では「〜とき」を使います。

お降りの際は、足元にご注意ください。

When getting off, please watch your step.

卒業に際して、先生に手紙を書いた。

On the occasion of graduating, I wrote a letter to my teacher.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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Questions 問題

1. ミルクの機械が止まった日、断られた客は何をしたか。

  1. 牛乳を買ってきて店に渡した
  2. 修理の人を呼んでくれた
  3. 別の店へ行って戻らなかった
  4. 店に文句を言った
答えを見る Show answer

1. 牛乳を買ってきて店に渡した
客は十分後に、向かいのスーパーで買った牛乳のパック二本を持って戻ってきた。

2. 「シャッターが上がるか上がらないかのうちに」とは、どういう意味か。

  1. シャッターを上げるのをやめた
  2. シャッターが上がるかどうか分からなかった
  3. シャッターを上げる前に客を入れた
  4. シャッターが上がるのとほとんど同時に
答えを見る Show answer

4. シャッターが上がるのとほとんど同時に
「〜か〜ないかのうちに」は、前のことが終わるか終わらないかという短い時間に次のことが起こる意味。

力だめし Mini test

力だめし 8問

この話の漢字の読み・表記・語彙・文法から8問。解くと、間違えたところだけが復習に出てきます。

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