JLPT N2 Reading Practice

振ふり子この音おと

The Sound of the Pendulum

N2時計修理約5分33文文法:〜末(に)

A clock stopped for fifteen years is carried from one workshop to another until somebody agrees to try.

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祖父そふの家いえを片かたづけたとき、芦田あしだは壁かべから大おおきな時計とけいを外はずした。When they cleared out his grandfather's house, Ashida took a large clock down from the wall.木きの箱はこに入はいった、振ふり子このついた古ふるい時計とけいである。It was an old clock in a wooden case, with a pendulum.芦田あしだが子こどものころは、低ひくい音おとで時ときを知しらせていた。When Ashida was a child it had marked the hours with a low chime.針はりは、十五年前じゅうごねんまえの四時二十分よじにじゅっぷんで止とまったままだった。The hands had been stopped at twenty past four for fifteen years.

捨すてるつもりで、玄関げんかんにしばらく置おいておいた。Meaning to throw it out, he left it in the entrance hall for a while.ところが、通とおるたびに目めが合あう。But every time he walked past, their eyes met.芦田あしだは結局けっきょく、その時計とけいを自分じぶんのアパートへ運はこんだ。In the end, Ashida carried the clock back to his own flat.

直なおしてくれる店みせを探さがすのは、思おもったより大変たいへんだった。Finding somewhere that would repair it was harder than he had expected.駅前えきまえの時計屋とけいやは、電池でんちの交換こうかんしかしないという。The watch shop by the station said it only changed batteries.電話を十軒かけた末に、三みっつ先さきの町まちに古ふるい時計とけいを扱あつかう工房こうぼうがあると分わかった。After ringing ten places, he finally learned that there was a workshop dealing in old clocks three towns away.

工房こうぼうの主人しゅじんは、七十ななじゅうを過すぎた小ちいさな人ひとだった。The workshop's owner was a small man of over seventy.箱はこを開あけて、中なかを長ながく見みていた。He opened the case and looked inside for a long time.「部品ぶひんが一ひとつ、割われていますね。」“One of the parts is cracked.”同おなじ部品ぶひんはもう作つくられていない。The same part is no longer made.似にたものを削けずって合あわせるしかないという。There was nothing for it, he said, but to file something similar down to fit.「半年はんとし、待まてますか。」“Can you wait six months?”

芦田あしだはうなずいた。Ashida nodded.それから、二週間おきに工房こうぼうへ通とおった。After that he went along to the workshop every other week.行いっても、主人しゅじんはたいてい別べつの仕事しごとをしている。Whenever he went, the owner was usually working on something else.それでも、作業台さぎょうだいの上うえの自分じぶんの時計とけいを見みるだけで安心あんしんした。Even so, just seeing his own clock on the bench put his mind at rest.

五月ごがつの終おわり、電話でんわが鳴なった。At the end of May, the phone rang.「動うごきましたよ。音おとも出でます。」“It's running. It chimes, too.”芦田あしだは会社かいしゃを半休はんきゅうにして、電車でんしゃに乗のった。Ashida took a half day off work and got on the train.工房こうぼうの机つくえの上うえで、振ふり子こが静しずかに左右さゆうに動うごいていた。On the workshop bench, the pendulum was swinging quietly from side to side.主人しゅじんは半年の作業の末に、音おとの高たかさまで元もとに戻もどしたのだという。After six months of work, the owner had restored even the pitch of the chime.

アパートの壁かべに掛かけたのは、その日ひの夕方ゆうがただった。He hung it on the wall of his flat that same evening.七時ななじになると、十五年ぶりに低ひくい音おとが部屋へやに流ながれた。At seven o'clock, for the first time in fifteen years, a low chime filled the room.芦田あしだは台所だいどころで手てを止とめて、最後さいごの音おとが消きえるまで立たっていた。Ashida stopped what he was doing in the kitchen and stood there until the last note faded.

今いまも、時計とけいは一時間おきに鳴なる。The clock still chimes every hour.夜中よなかに目めが覚さめることもある。Sometimes it wakes him in the night.それでも、止とめようとは思おもわない。Even so, he has no thought of stopping it.祖父そふの家いえの台所だいどころのにおいが、音おとと一緒いっしょに戻もどってくるからだ。That is because the smell of his grandfather's kitchen comes back along with the sound.長く迷った末に運はこんできて、本当ほんとうによかったと思おもっている。After all that long hesitation, he is truly glad he brought it home.

Vocabulary 単語

語よみMeaningJLPT
壁かべwallN3
外すはずすtake off; removeN3
振り子ふりこpendulumN1
針はりneedleN3
十五年前じゅうごねんまえfifteen years ago
度たびeach time (週末のたびに: every weekend)N3
結局けっきょくin the end; after allN3
時計屋とけいやwatch shop, clockmaker's
交換こうかんexchange, replacementN2
扱うあつかうhandle; deal withN2
工房こうぼうworkshop, studio
部品ぶひんparts; componentsN2
似るにるresemble; take afterN3
削るけずるto shave, plane (wood)N2
合わせるあわせるtime (to coincide with)N3
頷くうなずくto nodN2
作業台さぎょうだいworkbench
半休はんきゅうhalf day offN1
左右さゆうleft and right, side to sideN2
元もとformer; ex-N3
戻すもどすto put backN3
流れるながれるflowN3
夜中よなかmiddle of the nightN3
覚めるさめるto wake up (目がさめる)N3

Grammar 文法

〜末(に)

after a long process; in the end · JLPT N2
名詞+の+末(に) / 動詞た形+末(に)

長い時間いろいろなことがあって、そのあとでやっと結果が出たと言うときに使う。「話し合いの末に決まった」のように、時間のかかる動きを表す言葉と一緒に使うことが多い。まちがえやすいのは「〜あと」とのちがいで、「〜あと」はただ順番を言うだけだが、「〜末に」は長く続いた苦労の結果を表すので、短い時間のことには使えない。

長い話し合いの末に、旅行の場所が決まりました。

After a long discussion, we decided where to travel.

何度も書き直した末に、作文が完成した。

After rewriting it many times, the essay was finished.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜おきに

at intervals of; every other · JLPT N2
数量を表す名詞(時間・距離・回数など)+ おきに

ある間隔を空けて、同じことが繰り返されることを表します。「一日おきに」は一日空けて行うという意味で、毎日という意味の「一日ごとに」とは数え方がちがいます。時間や距離、回数など、数を表す言葉に付きます。間隔を空けずに毎回することには使えません。

この薬は四時間おきに飲んでください。

Take this medicine every four hours.

この道路には五十メートルおきに街灯が立っている。

Street lamps stand every fifty metres along this road.

練習 5問

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〜ぶり

after an interval of · JLPT N2
時間の長さを表す名詞+ぶり(に/の)(三年ぶりに/三か月ぶりの)

「〜ぶり」は、前にそれをしてから長い時間がたったことを表す。「三年ぶりに会う」のように、時間の長さを表す言葉につく。名詞を修飾するときは「十年ぶりの暑さ」のように「ぶりの」の形になる。まちがえやすいのは「〜以来」との使い分けで、「卒業以来」のような出来事には「ぶり」はつかない。

十年ぶりに高校の友人に会いました。

I met a high school friend for the first time in ten years.

三か月ぶりの雨で、畑の土がやわらかくなった。

With the first rain in three months, the soil in the field became soft.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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Questions 問題

1. 芦田は、どうやって時計を直してくれる工房を見つけたか。

  1. 駅前の時計屋に紹介されて
  2. 電話を何軒もかけて
  3. 祖父の手紙を読んで
  4. 工房の主人に呼ばれて
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2. 電話を何軒もかけて
駅前の時計屋では直せず、電話を十軒かけた末に三つ先の町の工房が分かった。

2. 「半年の作業の末に、音の高さまで元に戻した」とは、どういう意味か。

  1. 半年の長い作業を続けて、ついに元に戻した
  2. 半年たったので作業をやめた
  3. 半年のうちに作業を終える予定だ
  4. 半年前に作業が終わっていた
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1. 半年の長い作業を続けて、ついに元に戻した
「〜末に」は、長く続いた作業や苦労のあとで、やっと結果が出たことを表す。

力だめし Mini test

力だめし 8問

この話の漢字の読み・表記・語彙・文法から8問。解くと、間違えたところだけが復習に出てきます。

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