JLPT N2 Reading Practice

美術館びじゅつかんの受付うけつけ

The Museum Front Desk

N2美術館約5分29文文法:〜によっては

A museum receptionist learns that the rules change with every exhibition, until one visitor asks a question his notebook cannot answer.

Tap words & listen: interactive version

隼人はやとは、駅えきから歩あるいて十五分じゅうごぶんの美術館びじゅつかんで働はたらいている。Hayato works at an art museum, fifteen minutes' walk from the station.仕事しごとは受付うけつけで、切符きっぷを売うり、荷物にもつを預あずかり、道案内どうあんないもする。His job is the front desk: selling tickets, taking bags, and giving directions.展示てんじは三さんか月げつごとに変かわるので、覚おぼえることも増ふえていく。The exhibitions change every three months, so what he has to remember keeps growing.入はいってすぐの壁かべに、注意書ちゅういがきが大おおきくはってある。On the wall just inside, a list of rules is displayed in large letters.「作品に手を触れてはならない」という一いち文ぶんが、いちばん上うえに書かかれている。At the very top is the line, “Visitors must not touch the works.”

働はたらき始はじめたころ、隼人はやとは決きまりを全部ぜんぶ覚おぼえようとした。When he started, Hayato tried to learn every rule in the museum.しかし、決きまりは展示てんじごとに少すこしずつちがう。But the rules differ slightly from exhibition to exhibition.作品によっては、写真しゃしんを撮とってもいいものもある。Depending on the work, there are some you may photograph.覚おぼえきれないので、隼人はやとは手帳てちょうに書かいて持もち歩あるくことにした。Since he could not keep it all in his head, Hayato took to carrying a notebook.

ある日曜日にちようび、七十代ななじゅうだいくらいの女性じょせいが受付うけつけに来きた。One Sunday, a woman of about seventy came to the desk.古ふるい織物おりものの展示てんじを見みに、電車でんしゃを乗のりかえて来きたという。She said she had changed trains to come and see the exhibition of old textiles.「これは、さわってもいいものですか。」“Am I allowed to touch these?”隼人はやとは少すこし迷まよったが、手帳てちょうを見みてから答こたえた。Hayato hesitated, then checked his notebook before answering.「申もうし訳わけありません。こちらの部屋へやのものは、手を触れてはならないことになっています。」“I'm very sorry. The pieces in this room are not to be touched.”

女性じょせいは残念ざんねんそうな顔かおをしたが、すぐにうなずいた。The woman looked disappointed, but she nodded at once.若わかいころ、自分じぶんも同おなじ織物おりものを作つくっていたのだそうだ。She told him she had woven the same kind of textile herself when she was young.「糸いとの太ふとさは、手てでさわればすぐに分わかるんですよ。」“You can tell the thickness of the thread straight away, just by touching it.”隼人はやとは何なにも言いえず、ただ聞きいていた。Hayato could not think of anything to say, and simply listened.決きまりは決きまりだから、断るほかない。Rules are rules, so he had no choice but to refuse.

その日ひの夕方ゆうがた、隼人はやとは館長かんちょうに女性じょせいの話はなしをした。That evening, Hayato told the director about the woman.館長かんちょうはしばらく考かんがえて、倉庫そうこから箱はこを出だしてきた。The director thought for a while, then brought a box out of the store room.中なかには、展示てんじに使つかわなかった織物おりもののはしが入はいっていた。Inside were offcuts of textile that had not been used in the exhibition.「これなら、さわっていただけますね。」“These she could certainly touch.”次つぎの週しゅうから、受付うけつけの横よこに小ちいさな台だいが置おかれた。From the following week, a small table stood beside the front desk.

台だいの上うえには織物おりもののはしと、「どうぞおさわりください」という紙かみがある。On it are the offcuts and a card saying, “Please do touch.”人によっては、ガラスの向むこうより、こちらを長ながく見みている。Depending on the visitor, some spend longer here than in front of the glass.子こどもは必かならず手てをのばし、年としを取とった人ひとはゆっくり指ゆびで押おさえる。Children always reach out, and older visitors press the cloth slowly with their fingers.展示によっては、こういう台だいを用意よういできないこともある。Depending on the exhibition, there are times when a table like this cannot be prepared.それでも隼人はやとは、次つぎの展示てんじの相談そうだんで自分じぶんからその話はなしを出だすようになった。Even so, Hayato now raises the idea himself when the next exhibition is discussed.

Vocabulary 単語

語よみMeaningJLPT
受付うけつけreception; front deskN3
預かるあずかるto look after, to keep for someoneN3
道案内みちあんないgiving directionsN2
展示するてんじするexhibit; displayN2
三か月ごとさんかげつごとevery three months
壁かべwallN3
注意書きちゅういがきwritten notice, instructions
貼るはるto stick, put upN3
決まりきまりruleN3
展示ごとてんじごとfor each exhibition
手帳てちょうpocket diary; notebookN3
持ち歩くもちあるくcarry around with oneN2
七十代ななじゅうだいin one's seventies
織物おりものwoven fabric, textileN1
触るさわるto touchN3
迷うまようto hesitate; to be unsure; to get lostN3
頷くうなずくto nodN2
館長かんちょうmuseum directorN1
倉庫そうこstorehouse; warehouseN2
端はしend, edge; offcutN2
台だいstand, counterN3
おお(polite prefix)
延ばすのばすextend (足を延ばす: go further)N3
押さえるおさえるpress; hold downN2

Grammar 文法

〜によっては

depending on; in some cases · JLPT N2
名詞+によっては

同じことでも、場合や人、時などによって結果がちがうことを表します。「全部ではないが、中にはこういう場合もある」と言いたいときに使います。後ろには「〜こともある」「〜かもしれない」など、一部を表す言い方が来ることが多いです。「〜によって」は理由や手段も表しますが、「〜によっては」は場合の一部を取り上げる言い方です。

店によっては、日曜日も開いているところがある。

Depending on the shop, some are open on Sundays too.

人によっては、この味を辛いと感じるかもしれない。

Depending on the person, some may find this taste spicy.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜てはならない

must not; is not permitted · JLPT N2
動詞て形+はならない / 名詞・な形容詞+であってはならない

してはいけないことを強く止めるときに使う、かたい言い方。規則や法律、社会のきまりなどを書いた文でよく使われ、話しことばでは「〜てはいけない」を使うことが多い。しなければいけないことを言う「〜なければならない」とは反対の意味なので、混ぜないように気をつける。

ここでは、大きな声で話してはならない。

One must not speak loudly here.

どんな理由があっても、うそをついてはならない。

No matter the reason, one must not lie.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜ほか(は)ない

have no choice but to · JLPT N2
動詞辞書形+ほか(は)ない

ほかによい方法がなく、それしかできないという気持ちを表します。「〜しかない」とほぼ同じ意味で、少し硬い言い方です。前には必ず動詞の辞書形が来ます。「〜にほかならない」は「まさに〜だ」という別の意味なので、混同しないようにしましょう。

店が閉まっていたので、あきらめるほかなかった。

The shop was closed, so I had no choice but to give up.

説明書がないのだから、自分で考えるほかはない。

There's no manual, so there's nothing for it but to work it out myself.

練習 5問

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Questions 問題

1. 館長は、女性の話を聞いてどうしましたか。

  1. 女性にもう一度来てもらうことにした
  2. 展示に使わなかった織物のはしを出してきた
  3. さわってもいい部屋を新しく作った
  4. 注意書きを書き直した
答えを見る Show answer

2. 展示に使わなかった織物のはしを出してきた
館長は倉庫から箱を出し、展示に使わなかった織物のはしを見せた。

2. 「作品によっては、写真を撮ってもいいものもある」とは、どういう意味ですか。

  1. 作品の中には、写真を撮ってもいいものがある
  2. どの作品も写真を撮ってよい
  3. どの作品も写真を撮ってはいけない
  4. 作品の数によって決まる
答えを見る Show answer

1. 作品の中には、写真を撮ってもいいものがある
「〜によっては」は、全部ではないが中にはそういう場合もある、という意味を表す。

力だめし Mini test

力だめし 8問

この話の漢字の読み・表記・語彙・文法から8問。解くと、間違えたところだけが復習に出てきます。

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