JLPT N2 Reading Practice

二列目にれつめの声こえ

The Voice in the Second Row

N2合唱団約5分32文文法:〜だけに

A town choir takes on a hall far bigger than its rehearsal room, and an eight-bar passage loses a singer.

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町まちの合唱団がっしょうだんに入はいって、宮下みやしたは三年さんねんになる。Miyashita has been in the town choir for three years now.半分はんぶんは六十ろくじゅうを過すぎた人ひとたちで、宮下みやしたは下したから二番目にばんめに若わかい。Half of them are over sixty, and Miyashita is the second youngest.練習れんしゅうは毎週木曜まいしゅうもくようの夜よる、公民館こうみんかんの大広間おおひろまでする。They rehearse every Thursday evening in the large hall of the community centre.

指導しどうするのは真壁まかべ先生せんせいという女性じょせいである。Their director is a woman called Mrs Makabe.長く中学校で音楽を教えていただけあって、声こえの出だし方かたの説明せつめいがとても分わかりやすい。As you would expect from someone who taught music at a secondary school for years, her explanations of how to produce the voice are very clear.「のどではなく、背中せなかで歌うたってください。」“Sing from your back, not your throat.”最初さいしょは意味いみが分わからなかったが、半年はんとしたつころには体からだで分わかるようになった。At first Miyashita had no idea what she meant, but after about six months her body understood.

今年ことしの秋あき、市しのホールで歌うたう話はなしが決きまった。This autumn it was settled that they would sing at the city hall.客席きゃくせきが千二百せんにひゃくもある大おおきなホールである。It is a big hall with as many as twelve hundred seats.会場が広いだけに、声こえの小ちいさい団員だんいんは不安ふあんそうだった。Precisely because the venue was so large, the quieter members looked uneasy.宮下みやしたも、二に列目れつめのまん中なかという自分じぶんの場所ばしょが急きゅうに重おもく感かんじられた。Miyashita too suddenly felt the weight of her own place, the middle of the second row.

歌うたうのは三さん曲きょくで、そのうちの一いち曲きょくには、女性じょせいだけで歌うたう部分ぶぶんがある。They were to sing three pieces, and one of them had a passage for the women alone.八はち小節しょうせつ。Eight bars.人数にんずうは五人ごにんで、宮下みやしたもその中なかに入はいった。There were five of them, and Miyashita was one.

九月くがつに入はいって、五人ごにんのうちの一人ひとりが足あしをけがして休やすんだ。In September one of the five hurt her leg and had to drop out.残のこるのは四人よんにん。That left four.真壁まかべ先生せんせいは「四人よんにんでいきましょう」と言いった。“Let's do it with four,” said Mrs Makabe.四人になっただけに、一人分ひとりぶんの責任せきにんがはっきりと増ふえた。With only four of them, each one's share of the responsibility clearly grew.

宮下みやしたは家いえで小ちいさく声こえを出だして練習れんしゅうした。Miyashita practised at home in a small voice.それでも、八はち小節しょうせつの形かたちは少すこしずつ見みえてきた。Even so, the shape of those eight bars gradually came into view.

本番ほんばんの前まえの木曜もくよう、団長だんちょうの千葉ちばさんが大おおきな紙袋かみぶくろを持もってきた。On the Thursday before the concert, Mrs Chiba, the choir's chair, brought along a large paper bag.中なかには、全員分ぜんいんぶんの黒くろいファイルが入はいっていた。Inside were black folders for everybody.「ホールは暗くらいから、譜面ふめんが白しろいと手元てもとが目立めだつでしょう。」“The hall is dark, so white sheet music makes your hands stand out, doesn't it.”細こまかいところに気きのつく千葉さんのことだから、だれも驚おどろかなかった。Knowing Mrs Chiba and her eye for detail, nobody was surprised.

当日とうじつ、幕まくが開ひらくと、客席きゃくせきは思おもっていたより近ちかく見みえた。On the day, when the curtain went up, the audience looked closer than she had expected.八はち小節しょうせつが来きた。The eight bars arrived.四人よんにんの声こえが、最初さいしょの一いち音おんでそろった。The four voices came together on the very first note.歌うたい終おわって息いきをついたとき、宮下みやしたは自分じぶんの声こえが聞きこえなかったことに気きづいた。Letting out her breath at the end, Miyashita realised she had not been able to hear her own voice.四人よんにんの声こえが一ひとつになっていたからである。It was because the four voices had become one.

休憩きゅうけいのあと、真壁まかべ先生せんせいが小ちいさく言いった。After the interval, Mrs Makabe said quietly:「長く続けてきただけに、今日きょうの音おとはよかったですね。」“All the more for your having kept at it so long, today's sound was good.”宮下みやしたは二に列目れつめのまん中なかで、もう一度いちどその言葉ことばを聞きき返かえした。In the middle of the second row, Miyashita turned those words over once more.

Vocabulary 単語

語よみMeaningJLPT
合唱団がっしょうだんchoir
公民館こうみんかんcommunity centreN1
大広間おおひろまlarge hall
指導しどうguidance, coachingN2
背中せなかback (of the body)N3
経つたつto pass (of time)N3
客席きゃくせきaudience seats; audienceN1
団員だんいんmember (of a group)N1
不安ふあんanxious, worriedN3
列目れつめnth row
真ん中まんなかthe middle, centreN3
曲きょくpiece of music; tuneN3
部分ぶぶんpart, sectionN3
小節しょうせつbar, measure (of music)
人数にんずうnumber of peopleN2
一人分ひとりぶんone person's share
責任せきにんresponsibilityN3
本番ほんばんactual performanceN1
団長だんちょうgroup leader, chairman
紙袋かみぶくろpaper bagN2
全員分ぜんいんぶんenough for everyone
ファイルふぁいるfile, folderN2
譜面ふめんsheet music, scoreN1
手元てもとone's hands, at handN1

Grammar 文法

〜だけに

precisely because; all the more since · JLPT N2
動詞・い形容詞の普通形 / な形容詞+な(である) / 名詞(である) + だけに

前に述べた理由から考えて、当然そうなると強めて言うときに使います。後ろには、その理由にふさわしい程度の結果が来ます。よい結果だけでなく、期待と違って残念だという結果にも使えます。「〜だけあって」は期待どおりで感心する結果にしか使えないので、そこがちがいます。

長く練習してきただけに、優勝の喜びは大きかった。

Having practised so long, the joy of winning was all the greater.

彼は料理人だけに、味にはとても厳しい。

Precisely because he is a cook, he is very strict about taste.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜だけあって

as one would expect from · JLPT N2
名詞 / 動詞・い形容詞の普通形 / な形容詞+な + だけあって

立場や経験、評判にふさわしい結果だと、感心して言うときに使います。後ろには話す人がよいと思っていることが来ます。悪い結果を言うときには使えず、その場合は「〜だけに」を使います。自分をほめる文にも使いません。

この店は人気があるだけあって、料理がどれもおいしい。

As you'd expect from such a popular place, every dish is delicious.

彼は元水泳の選手だけあって、泳ぎ方がきれいだ。

As you'd expect from a former swimmer, his stroke is beautiful.

練習 5問

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〜ことだから

given who or what it is · JLPT N2
名詞+の+ことだから / 動詞・形容詞の普通形+ことだから

よく知っている人の性格や、その事情を理由にして、当然こうなるだろうと予想するときに使う。人について言うときは「〜さんのことだから」の形が多く、名前や名詞には「の」が必要になる。後ろには話す人の予想や判断が来るので、起きたことの原因をそのまま言う「〜ものだから」とは使い方がちがう。

まじめな田中さんのことだから、時間より早く来るでしょう。

Knowing how serious Tanaka is, he will surely arrive early.

初めてのことだから、うまくいかなくても仕方がない。

Since it is the first time, it cannot be helped if it does not go well.

練習 5問

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Questions 問題

1. 千葉さんが黒いファイルを持ってきたのは、なぜか。

  1. 譜面をなくす団員が多かったから
  2. 真壁先生に頼まれたから
  3. ホールが暗く、白い譜面だと手元が目立つから
  4. 曲が三曲に増えたから
答えを見る Show answer

3. ホールが暗く、白い譜面だと手元が目立つから
千葉さんは「ホールは暗いから、譜面が白いと手元が目立つでしょう」と言っている。

2. 「四人になっただけに、一人分の責任がはっきりと増えた」とは、どういう意味か。

  1. 四人になったので、当然責任が重くなった
  2. 四人になっても、責任は変わらなかった
  3. 四人になったのに、責任は軽くなった
  4. 四人になるかどうか、まだ分からない
答えを見る Show answer

1. 四人になったので、当然責任が重くなった
「〜だけに」は、前の理由から当然そうなると強めて言う言い方。

力だめし Mini test

力だめし 8問

この話の漢字の読み・表記・語彙・文法から8問。解くと、間違えたところだけが復習に出てきます。

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