JLPT N2 Reading Practice

公園こうえんの笛ふえ

The Whistle in the Park

N2地域活動約5分29文文法:〜に代わって

When the man who has led the park's morning exercises for twenty years goes away, a reluctant early riser takes his whistle.

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真紀まきが住すむ町まちでは、毎朝六時半まいあさろくじはんから公園こうえんでラジオ体操たいそうが行おこなわれている。In the town where Maki lives, radio exercises are held in the park every morning from half past six.二十年近にじゅうねんちかく続つづけてきたのは、近所きんじょの戸田とださんだ。The man who has kept them going for nearly twenty years is a neighbour called Mr Toda.戸田とださんは毎朝まいあさいちばん早はやく来きて、笛ふえを吹ふいて始はじまりを知しらせる。Mr Toda arrives first every morning and blows a whistle to signal the start.真紀まきが参加さんかするようになったのは、去年きょねんの秋あきからだった。Maki began joining in last autumn.朝あさが苦手にがてで、初はじめは三日みっかに一度いちどしか行いけなかった。She is not a morning person, and at first she only managed to go once every three days.

ある日ひ、戸田とださんが集あつまった人ひとたちに小ちいさな紙かみを配くばった。One day, Mr Toda handed out a small slip of paper to everyone who had gathered.春はるから半年はんとし、娘むすめの家いえに手伝てつだいに行いくという。He said that from spring he would be away for six months, helping at his daughter's house.「しばらく、わたしに代わって笛を吹いてくれる人ひとをさがしています。」“I'm looking for someone to blow the whistle in my place for a while.”参加者さんかしゃはみな顔かおを見合みあわせて黙だまってしまった。The people there all looked at one another and fell silent.

次つぎの朝あさ、真紀まきは思おもい切きって手てを挙あげた。The next morning, Maki made up her mind and raised her hand.「うまくできるか分わかりませんが、戸田さんに代わってやってみます。」“I don't know if I can do it well, but I'll give it a try in Mr Toda's place.”戸田とださんは笛ふえの吹ふき方かたを一ひとつずつ教おしえてくれた。Mr Toda taught her how to blow the whistle, one thing at a time.戸田とださんは笑わらったが、笛ふえを渡わたす手ては少すこしだけ止とまった。Mr Toda laughed, but his hand paused a little as he passed over the whistle.

四月しがつになり、真紀まきの朝あさが変かわった。April came, and Maki's mornings changed.六時ろくじに起おきて、笛ふえを持もって家いえを出でる。She got up at six and left the house with the whistle.雨あめの日ひは中止ちゅうしで、その判断はんだんも真紀まきがすることになった。It is cancelled on rainy days, and that decision was hers now too.最初さいしょの一週間いっしゅうかんで、参加者さんかしゃは半分はんぶんに減へった。In the first week, the number of people halved.やめてしまうくらいなら、下手へたでも続つづけたほうがいいと思おもった。She thought that rather than give it up altogether, it was better to carry on badly.

五月ごがつの終おわり、戸田とださんから葉書はがきが届とどいた。At the end of May, a postcard arrived from Mr Toda.孫まごの世話せわで毎日まいにちが過すぎていくこと、公園こうえんが懐なつかしいことが書かかれていた。He wrote about how his days went by looking after his grandchild, and how he missed the park.最後さいごに、「帰れるものなら、明日あしたの朝あさにでも帰かえって笛ふえを吹ふきたい」と一行いちぎょうあった。At the end there was one line: “If I could, I would come back tomorrow morning and blow that whistle.”真紀まきはその葉書はがきを台所だいどころの壁かべにはった。Maki pinned the postcard to the kitchen wall.

秋あきの初はじめ、戸田とださんが公園こうえんに戻もどってきた。At the beginning of autumn, Mr Toda came back to the park.参加者さんかしゃは三十人さんじゅうにん近ちかくになっていて、戸田とださんは驚おどろいた。There were nearly thirty people now, and he was astonished.「よく続つづけてくれましたね」と、戸田とださんは何度なんども言いった。“You really kept it going,” he said, over and over.人に代わって何かを続けるのは、思おもっていたよりずっと重おもいことだった。Carrying something on in another person's place had been far heavier than she had expected.それでも真紀まきは、笛ふえを返かえすのが少すこし惜おしいと感かんじた。Even so, Maki felt a little reluctant to hand the whistle back.「二人ふたりで順番じゅんばんにやりませんか」と言いったのは、戸田とださんのほうだった。It was Mr Toda who said, “Shall we take turns, the two of us?”その朝あさの笛ふえは、いつもより少すこし長ながく鳴なった。That morning the whistle sounded a little longer than usual.

Vocabulary 単語

語よみMeaningJLPT
毎朝六時半まいあさろくじはんhalf past six every morning
ラジオ体操らじおたいそうradio exercises
二十年近くにじゅうねんちかくnearly twenty years
笛ふえwhistle, fluteN2
参加さんかparticipationN3
苦手にがてweak at, not good withN3
配るくばるto hand out, to distributeN3
参加者さんかしゃparticipantN3
みなみなall, everyoneN3
見合わせるみあわせるto look at each other (顔を〜)N1
黙るだまるto be silentN3
思い切るおもいきるto take the plunge; (思い切って) daringlyN2
中止ちゅうしcancellation, calling offN2
判断はんだんjudgement, decisionN2
減るへるdecreaseN3
届くとどくto arrive, be deliveredN3
世話せわlooking after, careN3
懐かしいなつかしいnostalgic; brings back memoriesN3
一行いちぎょうone line (of text)
壁かべwallN3
貼るはるto stick, put upN3
三十人さんじゅうにんthirty people
惜しいおしいso close; a pityN2
順番じゅんばんturn, orderN3

Grammar 文法

〜に代わって

on behalf of; in place of · JLPT N2
名詞+に代わって / 名詞+に代わり(書き言葉)

「〜に代わって」は、ある人や物の代わりに、別の人や物がその役目をするという意味を表します。書き言葉では「〜に代わり」の形も使われます。まちがえやすいのは「〜に比べて」との混同です。「〜に比べて」は二つをくらべる言い方で、代わりをする意味はありません。

社長に代わって、部長があいさつをしました。

In place of the president, the department head gave the greeting.

今は手紙に代わって、メールが使われている。

These days email is used in place of letters.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜くらいなら

rather than; sooner than · JLPT N2
動詞辞書形+くらいなら

二つをくらべて、前のことをするのはいやだから後ろのほうを選ぶ、と言うときに使います。後ろには「〜ほうがいい」「〜たほうがましだ」などが来ることが多いです。まちがえやすいのは前に来る形で、た形ではなく辞書形を使います。また、前に来ることは話し手にとっていやなことでなければいけません。

満員電車に乗るくらいなら、歩いて行きます。

Rather than get on a packed train, I will walk.

安い物を何度も買うくらいなら、いい物を一つ買ったほうがいい。

Rather than buying cheap things over and over, it is better to buy one good one.

練習 5問

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〜ものなら

if only I could ~ (unlikely wish) · JLPT N2
動詞可能形+ものなら(できるものなら・行けるものなら)

「できるものなら」の形で、実際にはむずかしいことを「もしできるなら〜したい」と言うときに使います。前には動詞の可能形が来て、あとには「〜たい」「〜てほしい」などの希望を表す言葉が来ます。まちがえやすいのは、ふつうの条件の「〜なら」と同じに使うことです。実際にする予定のことは「〜なら」で言い、「ものなら」は実現がむずかしいことに使います。

会えるものなら、子どものころの友だちにもう一度会いたい。

If I could, I'd like to meet my childhood friends once more.

帰れるものなら、今すぐ国へ帰りたい。

If I could, I'd want to go home to my country right now.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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Questions 問題

1. 戸田さんは、どうしてラジオ体操に来られなくなりましたか。

  1. 仕事が忙しくなったから
  2. 娘の家に手伝いに行くことになったから
  3. 朝起きるのがつらくなったから
  4. 公園が工事で使えなくなったから
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2. 娘の家に手伝いに行くことになったから
戸田さんは、春から半年、娘の家に手伝いに行くことになったと話している。

2. 「戸田さんに代わってやってみます」とは、どういう意味ですか。

  1. 戸田さんと一緒にやる
  2. 戸田さんと比べてみる
  3. 戸田さんより上手にやる
  4. 戸田さんの代わりにやる
答えを見る Show answer

4. 戸田さんの代わりにやる
「〜に代わって」は、その人の代わりにその役目をするという意味を表す。

力だめし Mini test

力だめし 8問

この話の漢字の読み・表記・語彙・文法から8問。解くと、間違えたところだけが復習に出てきます。

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