JLPT N2 Reading Practice

最後さいごの一いちキロ

The Final Kilometre

N2マラソン約5分30文文法:〜ことか

Talked into running by a colleague, a man in his forties trains for three years and enters his first race.

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弘樹ひろきが走はしり始はじめたのは、三年前さんねんまえの春はるだった。Hiroki started running three years ago, in the spring.健康上の理由というより、ただの思おもいつきだった。It was less for health reasons than simply on a whim.同僚どうりょうの岡田おかださんに誘さそわれて、断ことわりきれなかったのだ。His colleague Mr Okada invited him along, and he couldn't quite refuse.最初さいしょの日ひは、二にキロも走はしらないうちに息いきが切きれた。On the first day, he was out of breath before he had run even two kilometres.翌日よくじつは、階段かいだんを下おりるのもつらかった。The next day, even going down the stairs was painful.

それから、週しゅうに三回さんかい、朝あさの六時ろくじに家いえを出でるようになった。After that, he began leaving the house at six in the morning three times a week.冬ふゆの朝あさ、布団ふとんの中なかで何度やめようと思ったことか。On winter mornings, how many times he thought about giving up while still under the covers!雨あめの日ひは、走はしらない言いい訳わけをいくつも考かんがえた。On rainy days, he thought up any number of excuses not to run.それでも岡田おかださんが、毎週まいしゅう「今週こんしゅうは何なんキロ走はしりました」と連絡れんらくしてくる。Even so, every week Mr Okada would message him to say how many kilometres he had run.その一言ひとことがあるだけで、不思議ふしぎと足あしが動うごいた。Just that one line, strangely enough, got his legs moving.走はしる距離きょりが伸びるにしたがって、体からだも少すこしずつ変かわっていった。As the distances he ran grew longer, his body slowly changed as well.

二年目にねんめの秋あき、二人ふたりは市民しみんマラソンの十じゅうキロに申もうし込こんだ。In the autumn of the second year, the two of them entered the ten-kilometre race at the city marathon.弘樹ひろきにとっては、初はじめての大会たいかいだった。For Hiroki, it was his first ever event.当日とうじつは、スタート地点ちてんに三千人さんぜんにんが集あつまっていた。On the day, three thousand people had gathered at the start.号砲ごうほうが鳴なると、人ひとの流ながれに押おされるように走はしり出だす。When the gun went off, he was carried along by the flow of runners.五ごキロまでは、驚おどろくほど体からだが軽かるかった。Up to five kilometres, his body felt surprisingly light.ところが七ななキロを過すぎたあたりから、足あしが重おもくなってきた。But from somewhere after seven kilometres, his legs grew heavy.

残のこり一いちキロの上のぼり坂ざかで、弘樹ひろきはとうとう歩あるきそうになった。On the uphill stretch of the final kilometre, Hiroki very nearly slowed to a walk.そのとき、沿道えんどうから名前なまえを呼よぶ声こえが聞きこえた。Just then, he heard someone calling his name from the roadside.先さきにゴールした岡田おかださんが、戻もどってきて応援おうえんしていたのだ。Mr Okada, who had already finished, had come back to cheer him on.どんなに心強かったことか。How much courage that gave him!弘樹ひろきは歯はを食くいしばって、最後さいごの坂さかを上のぼりきった。Hiroki gritted his teeth and made it to the top of the last slope.ゴールのタイムは、目標もくひょうより三分さんぷんも遅おそかった。His finishing time was a full three minutes slower than his target.

それでも、ゴールした瞬間しゅんかんのことは、今いまでもはっきり覚おぼえている。Even so, he still remembers the moment he crossed the line perfectly clearly.「三年前さんねんまえの自分じぶんに、この写真しゃしんを見みせてやりたいよ。」"I'd love to show this photo to the man I was three years ago."完走証かんそうしょうを見みながら、弘樹ひろきは岡田おかださんにそう言いった。Looking at his finisher's certificate, Hiroki said this to Mr Okada.来年らいねんは、二十にじゅうキロの部ぶに出でるつもりだ。Next year he intends to enter the twenty-kilometre race.これから先さきも、また何度、やめたいと思うことか。How many more times will he want to give up between now and then!それでも、あの最後さいごの一いちキロを思おもい出だせば、たぶん走はしれる。Even so, if he remembers that final kilometre, he can probably keep going.明日あしたの朝あさも、六時ろくじに家いえを出でる。Tomorrow morning, too, he will leave the house at six.

Vocabulary 単語

語よみMeaningJLPT
三年前さんねんまえthree years ago
思いつきおもいつきa passing idea, a whimN2
同僚どうりょうcolleagueN3
断ることわるto refuse, turn downN3
二キロにきろtwo kilometres
息いきbreathN3
切れるきれるbreak; split apartN3
翌日よくじつthe next dayN2
言い訳いいわけexcuseN3
何キロなんきろhow many kilometres
一言ひとことa single word; a few wordsN3
不思議ふしぎstrangely; mysteriousN3
距離きょりdistanceN2
二年目にねんめsecond year
市民マラソンしみんまらそんpublic marathon race
十キロじゅうきろten kilometres
申し込むもうしこむto apply for, to sign upN3
大会たいかいrace, tournament, big eventN3
当日とうじつthe day itself, on the dayN2
スタート地点すたーとちてんthe starting point
号砲ごうほうstarting gun
流れながれflow; currentN3
五キロごきろfive kilometres
七キロななきろseven kilometres

Grammar 文法

〜ことか

how … it was! · JLPT N2
疑問詞(どんなに・何度・どれほど)+ 普通形 + ことか

気持ちの強さを表す感嘆の言い方。「どんなに」「何度」などの疑問詞と一緒に使う。

合格の知らせを聞いて、どんなにうれしかったことか。

How happy I was to hear that I had passed!

この日を何年待ったことか。

How many years I waited for this day!

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜上

from the standpoint of…; for … reasons · JLPT N2
名詞 + 上(で/は/の)

「〜の面から考えると」という意味。「仕事上」「健康上」「規則上」などの形で使う。

規則上、ここでは写真が撮れません。

Under the rules, you can't take photographs here.

安全上の理由で、この道は通れません。

For safety reasons, this road is closed.

練習 5問

この文法だけの練習問題。四択・並べかえ・正誤で5問。

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〜にしたがって

as … (changes), … · JLPT N2
動詞辞書形/名詞 + にしたがって

一方が変化するのに合わせて、もう一方も少しずつ変化する、という意味。

上に行くにしたがって、気温が下がる。

As you go higher, the temperature drops.

時間がたつにしたがって、痛みは軽くなった。

As time went by, the pain grew milder.

練習 5問

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Questions 問題

1. 弘樹が最後の坂を上りきることができたのは、なぜですか。

  1. 目標のタイムに間に合いそうだったから
  2. 沿道で岡田さんが応援してくれたから
  3. 坂の上にゴールが見えていたから
  4. 前を走る人についていけたから
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2. 沿道で岡田さんが応援してくれたから
先にゴールした岡田さんが戻ってきて応援しており、「どんなに心強かったことか」とある。

2. 「何度やめようと思ったことか」とは、どういう意味ですか。

  1. やめようと思ったことは一度もない
  2. やめようと思った理由がわからない
  3. 何度やめたか、数えていない
  4. 何度も強く、やめようと思った
答えを見る Show answer

4. 何度も強く、やめようと思った
「〜ことか」は気持ちの強さを表す言い方。ここでは、やめたいと何度も強く思った、という意味。

力だめし Mini test

力だめし 8問

この話の漢字の読み・表記・語彙・文法から8問。解くと、間違えたところだけが復習に出てきます。

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